小学校入学を控えた年長児（5歳児）の時期は、子どもにとっても保護者にとっても大きな節目となる大切な時期です。幼稚園・保育園から小学校へと生活環境が変わる中で、心や体の準備を整えておくことが、スムーズな就学につながります。本コラムでは「年長の今の時期に小学校入学前にやるべきこと」をテーマに、子どもの発達段階や家庭でできるサポートについて、6つの視点から詳しく解説していきます。さらに、実際に就学準備を経験した先輩ママ・パパの体験談も交えてご紹介します。
1. 年長児（5歳児）の発達段階
心身の成長
年長の5歳児は、身体的にも心の面でも大きな成長を見せる時期です。運動能力が向上し、走る・跳ぶ・投げるといった基本的な動作が安定してできるようになります。また、指先の器用さも増し、ハサミや鉛筆を上手に扱えるようになるなど、就学に必要な準備が整ってきます。
心理面では、自我が発達し、自分の気持ちを言葉で伝えられるようになります。同時に、相手の気持ちを理解しようとする「共感力」も育っていきます。集団生活の中でルールを守ったり、友だちと協力したりする力が育つのもこの時期の特徴です。
体験談：体を使った遊びで成長を実感
「年長になってから鉄棒や縄跳びに挑戦するようになりました。最初はできなくて悔しそうにしていましたが、毎日少しずつ練習するうちに、ある日突然できるようになって本人も大喜び。『やればできる！』という自信につながったと思います。」（6歳男の子ママ）
2. 小学校入学までに育みたい力
小学校入学前に「やるべきこと」として、学力以前に大切なのは「生活習慣」と「非認知能力」です。
基本的な生活習慣
- 早寝早起きのリズム：小学校の登校時間に合わせて生活リズムを整える。
- 食事・排泄・着替えを自分でできる力：自立心を育む大切な習慣です。
- 持ち物の管理：ランドセルや学用品を自分で準備・片付けできる練習をしておく。
体験談：朝の支度は親子でトレーニング
「入学前は、保育園のときより家を出る時間が早くなることが心配でした。そこで年長の秋ごろから、登園時間を少し早めて練習。自分で着替えや持ち物チェックをするよう声をかけたら、入学後もスムーズに準備ができました。」（6歳女の子パパ）
3. 年長クラスで意識したいこと
幼稚園や保育園の年長クラスは、小学校入学に向けての「助走期間」ともいえます。この時期に意識したいことをまとめます。
役割を持つ経験
年長になると園の中で「お兄さん・お姉さん」としての役割を任されることが増えます。下の子の世話をしたり、行事でリーダーを務めたりする経験が、責任感を育てます。
体験談：リーダー体験で自信アップ
「発表会でクラスのリーダー役を任されたときは、最初は不安そうでした。でも本番で堂々とセリフを言えた姿を見て、本人も大きな達成感を味わったようです。『自分にもできるんだ！』という自信を得られたのは大きかったと思います。」（5歳男の子ママ）
4. 可能なら取り入れたい体験
小学校入学前に体験しておくと安心につながることがあります。
生活に根ざした体験
- 買い物の際にお金を払う体験
- 公共交通機関を使って移動する体験
- 家族でルールを決めて遊ぶ体験
体験談：通学路の練習で安心
「実際にランドセルを背負って通学路を一緒に歩く練習をしました。『ここは車に気をつけて』『この角は先生が立ってるよ』と話しながら歩いたので、入学後も安心して通わせることができました。」（6歳女の子ママ）
5. 家庭との連携
園での取り組みと家庭での生活がうまくつながることで、子どもの成長はよりスムーズになります。
園での様子を共有
先生から聞いた子どもの様子を家庭で話題にすることで、子どもは「園と家庭がつながっている」と感じ、安心します。
家庭でのサポート
- 子どもが興味を持ったことを広げる声かけ
- 「できた！」をたくさん認めて自己肯定感を育む
- 無理に勉強をさせるよりも、遊びの中で学べる環境を意識する
体験談：園と家庭の連携が安心につながった
「先生から『集中力がついてきましたよ』と聞いたときに、家でもその話題を出して褒めてあげました。すると子どもがとても嬉しそうにして、自分から『もっと頑張ろう』と言っていました。園と家庭がつながることで、子どものやる気も伸びると実感しました。」（5歳女の子パパ）
6. 就学に向けて子どもの発達を見守っていこう
小学校入学は子どもにとって大きな一歩です。「年長の今の時期に小学校入学前にやるべきこと」は多くありますが、焦る必要はありません。子どもの成長には個人差があり、得意なことも苦手なこともそれぞれです。
体験談：焦らず見守ることの大切さ
「周りの子がひらがなを読み書きできると聞くと焦ってしまいました。でも先生から『文字よりも生活習慣や気持ちの安定が大事ですよ』と言われて安心しました。今では少しずつ読めるようになり、子どものペースで育っているのを感じます。」（6歳男の子ママ）
大切なのは「子どもの今の姿を認めること」と「少しずつできることを増やしていくこと」。家庭と園が協力し、子どもが安心して新しい環境に進めるよう、温かく見守っていきましょう。
まとめ
年長の時期に意識しておきたい小学校入学前の準備は、生活習慣・心の育ち・社会性の基盤づくりなど、学力に直結するものばかりではありません。むしろ「安心して学校生活を始められる土台」を整えることが最も大切です。
このコラムを参考に、家庭でも無理のない範囲で取り入れられることを実践し、お子さんが自信を持って小学校へ一歩を踏み出せるようにしていきましょう。
